『2000年前からローマの哲人は知っていた 幸せに年を重ねる方法』
若さを保つことに躍起になっている人や、反対に世間の「若さ至上主義」に辟易している人におすすめしたい本。
古代ローマの哲学者キケロが、老いについてズバズバ書いています。
老年には老年なりの、自分を守る術がある。 それは何かと言えば、誠実でまともな生活を続けることだ。
たとえ肉体が衰えても、老人の精神に適した活動は必ずあるものだ。
年齢にかかわらず、持ち合わせている体力を適切に使えば良いのだ。
死が若者を襲うときは力ずくだが、老人のところへ来るときは、それが最良の時機ということだ。
老いや死に対する漠然とした恐怖や不安を和らげてくれる言葉が多いのですが、それだけでは終わりません。
人間の一生というものは、若いうちと老いてからとでは、それぞれ別の物事を享受するようにできている。
割り当てられた時間が過ぎてから、なおも若さにしがみつこうとするのは無益である。自然と戦っても勝ち目はない。
確かに、不幸せな高齢者は多い。しかし問題を年齢のせいにすることはできない。
彼らの欠陥は貧しい精神に由来するものであり、生きてきた年数の結果ではない。
愚かな人々は、自分の失敗や短所を年齢のせいにする。
身体的な強さを失くすのは、年を取ったことよりもむしろ、若いときの行きすぎた行為が原因であることの方が多い。
なかなか手厳しい!そして、今も古代も変わらず、老がi…いえ、この手のご年配っているんだなー、というのがよくわかります。
ちなみに、ギリシャ時代やローマ時代の誰もが短命だったわけではなく、成人に達することができれば男女ともに60代、70代やそれ以上まで生きる可能性があったそうです。
私は幸せに年を重ねたいので、
精神は鍛えられるべき一種の筋肉である
という、ありがたいお言葉を胸に刻んで精進したいと思います。
2000年前からローマの哲人は知っていた 幸せに年を重ねる方法 [ キケロ ]
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