『自慢話でも武勇伝でもない「一般男性」の話から見えた生きづらさと男らしさのこと』
10人の男性たちに仕事や生活、恋愛やコンプレックスなどについて様々な話を聞いたインタビュー集。
DV、不倫、不妊治療、父子家庭など、なかなか聞けない話も出てきます。
「男の考えてることはよくわからない」と思っている女性は多いと思いますが、この本でちょっとはわかるかもしれません。
一見「なんで?」って思えることも、こんな風に説明してもらえれば、ある程度はわかりあえそうなのに…、と思うのですが、当事者にちゃんと説明することってほとんどないですからね。人間関係って難しい。
これを読んでいて思い出したのが、昔つきあっていた人のこと。
昭和の時代の「男らしさ・女らしさ」で言われていたことのひとつに、
男:お昼何食べる?
女:なんでもいいよ
男:じゃあ、ここの中華は?
女:中華はやだ
男:じゃあ、こっちの店のパスタにする?
女:パスタもちょっと…
男:(なんでもいいって言ってたじゃないか!これだから女は…)
っていうのがあったじゃないですか。
私と彼は、この男女が逆になってたんですよね。これに限らず、昭和の時代に言われていた男らしさの要素を私が多く持っていて、彼はその逆。
…なんですが、彼はやたらと「男を立てろ」と言ってきて、ちょっとやりづらい部分がありました。
あるとき私が、
「結婚式にお金を使うくらいなら、式は挙げずにそのお金でいい家電を買ったり、今後の役に立つことに使いたい」
と言ったところ、
「君は強がってるだけで、本当は結婚式を挙げたいんだろ?」
と言われたことがあって、
「もう何年もつきあっていて、私が一貫して現実的・合理的であることを知っているはずなのに、なぜそんな風に思ってるんだろう?」
と疑問だったのですが、たぶん、『私の男らしさを下げることで、相対的に自分のほうが男らしくいたい』ってことを、彼本人も無意識に思っていて、この発言をしたんだろうな、と思います。
男らしさの呪いにかかっている彼が、私にまで呪いをかけようとしていたわけです。まさに呪いの連鎖。
『我は、おばさん』を読んだときも、おばさんという単語を禁忌扱いにするのはおかしい、ということに激しく同意しましたが、「男は女よりも強い立場であるべきだ」と思っている男性とか、「おばさんと呼ばれたらもう女ではない」と思っている女性とか、自分で自分の首を絞めてる人、多すぎじゃないですか?
hitomi-tokyolife.hatenablog.jp
自分が苦しいだけじゃなくて周りの人にもその呪いは連鎖するので、こういう「ひとつの価値観は全員の価値観」みたいなのは減ってくれるといいなと思っています。
令和の時代はもっと自由になるといいですね。
自慢話でも武勇伝でもない「一般男性」の話から見えた生きづらさと男らしさのこと [ 清田隆之(桃山商事) ]
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