『フィンランド人が教えるほんとうのシンプル』
こういう本って、余計なものは削ぎ落として、自分にとって大切なものだけを抱えて生きていきたい、と思わされます。
- フィンランド人はいいものだけを10年使う
- なにげない一瞬を最高に楽しむ
- 「スタイルのある生き方」のすすめ
- 4週間、湖の近くで休むフィンランド人
- お金をかけずにリッチに生きる
- 家は自分だけの聖地
- アートは人生に彩りを与える
- ただしい運動と食事はしあわせの基本
- モノより時間 モノより人間関係
上のもくじだけでも雰囲気のよさが伝わるのではないかと思いますが、本文中にも「あぁ、素敵」と思えるフレーズや、考え方ががたくさん書かれていて癒されます。
長く使うことが前提なので、フィンランドの人びとの買い物は合理的です。買うときの基準は「シンプルで、素朴で、自然で、落ち着いているモノ」かどうかです。
「一度きりの人生だから、人生を大切にしよう」と考える人であっても、毎日をなんとなく過ごしている人は多くいます。しかし、その大切な人生というのは、無数の日常で成り立っているのです。
外で洗濯を干すと、新鮮な夏の香り、空気の香りがしますし、冬には空や木の香りに仕上がります。 冬に外干しをすると、一瞬で服が凍結しますが、そのときに、凍った空気と雪が洗濯に素敵な魔法をかけるのかもしれません。
フィンランドの会社、そして社会には「人生で大切なことは、仕事だけではない」という価値観があります。
生活するうえで大切なのは「経済にあまり影響されない生き方」をすることです。
時間帯を変えて瞑想をおこなうと、ただ湖の水を眺めるだけで、とても気持ちが落ち着いてきます。静かな水面、ゆらゆらとした水面、風がかなり吹いて荒れる水面、シトシト雨、強風……どんな中でも落ち着き、気持ちがリフレッシュするのです。
読んでいるだけでも穏やかな気持ちになれますよね。
かと思えば、
フィンランドのことわざに「みにくい人ほど、きれいな服を着て見せびらかす」というものがあります。
という真理を突いたきつい一撃もあったりして、そんなところも面白い。
「おわりに」に書かれている、
自分の生き方、「生きるスタイル」を見つけることで、ほかの人やその裕福さをうらやんだりしなくなります。自分が何に喜びを感じ、満足するのか?何が生活に必要なのか?それをじっくりと考えてみましょう。
読み終わってから、穏やかな気持ちで自然にこれを考えたくなる、そんな本です。
フィンランド人が教えるほんとうのシンプル [ モニカ・ルーッコネン ]
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